6.17(土)~特集上映「追悼 ジャン=リュック・ゴダール映画祭」
追悼 ジャン=リュック・ゴダール映画祭!
2022年9月13日に、惜しまれつつこの世を去ったジャン・リュック・ゴダール監督。観る者を挑発し、煙に巻き、固定観念に唾を吐き続けた“ヌーヴェル・ヴァーグ”の旗手、ゴダールを追悼し、期間を2回にわけて計9作品を特集上映します。
《上映期間》
①6/17(土)~6/23(金)
→4作品を日替り上映
②7/8(土)~7/14(金)
→5作品を日替り上映
上映するラインナップは、ゴダールの膨大なフィルモグラフィの中から、最も充実していた1960年代と1980年代を中心に、スクリーンではめったに観ることのできない9作品をセレクト。ゴダールの何が革新だったのか。何が称賛されたのか。何が人々を怒らせたのか。そして彼のいない映画はどうなっていくのか。
それでも生き続けるゴダール=映画を、この機会にぜひお見逃しなく!
☆7/8(土)にオンライントーク開催!
→詳細はコチラ
▼公式HP
http://jlgfilmfes.jp/
▼予告編
▼上映作品
期間① : 6/17(土)~6/23(金)
4作品
↓↓↓↓
『はなればなれに』(1964)
アメリカ人作家ヒッチェンズの小説に基づく作品。若者二人組とナイーヴな娘が織りなす三角関係と彼らの犯罪計画を軸とした、奔放な悲喜劇。物語の内と外を自在に出入りする、ゴダール自身の声によるナレーションもユニーク。タランティーノ、ベルトルッチ、ハートリーら本作への偏愛を隠さない映画作家やミュージシャンは数多い。
監督・脚本:ジャン・リュック・ゴダール
出演:クロード・ブラッスール、アンナ・カリーナ、サミー・フレイ
『ウイークエンド』(1967)
各々愛人がいて、密かに互いを殺す機会をうかがうプチブル夫婦。二人は遺産相続のため妻の実家へと車を走らせるが、この長旅はトラブルや奇妙な人物たちを通じて次第に混沌とした非現実的なものへと変貌していく……性と政治の季節に作られたポストモダン的黒い喜劇。交通渋滞を描いたくだりの移動撮影は、映画史上最も長いものの一つだとされる。
監督・脚本:ジャン・リュック・ゴダール
出演:ジャン・ヤンヌ、ミレーユ・ダルク、ジャン゠ピエール・カルフォン
『パッション』(1982)
欧州古典絵画の数々を活人画として再現した芸術映画製作に取り組む野心的ポーランド人監督。国際的製作班による「(完成しない)映画作りを描いた映画」としての側面を備える本作は、夏の陽光に満たされたかつてのゴダール映画『軽蔑』を冬の光の中で再創造する。ここでも物語は芸術(創造行為)と生活(性や金銭を巡る諸問題)の間を往還するだろう。
監督・脚本:ジャン・リュック・ゴダール
出演:イザベル・ユペール、ミシェル・ピコリ、ハンナ・シグラ
『ゴダールのマリア』(1985)
聖母マリアをスイスの女子学生マリーへと変換し、イエスの処女生誕の物語を現代に置き換えて語り直した、ある意味挑発的な作品。カトリックの教義に言及しつつ、マリー役のルーセルが全裸となる場面があるためヨハネ・パウロ二世に批判され、上映禁止措置がとられた国もある。また抗議活動や爆破予告の対象となった劇場もあり、各国で物議を醸した。
監督・脚本:ジャン・リュック・ゴダール
出演:ミリアム・ルーセル、ティエリ・ロード、ジュリエット・ビノシュ
期間② : 7/8(土)~7/14(金)
5作品
↓↓↓↓
『小さな兵隊』(1960)
極右のOAS(秘密軍事組織)およびこれと対立する組織FLN(アルジェリア民族解放戦線)の間で翻弄される男女のスパイを描いた長編第二作。60年に完成していたが、アルジェリア戦争を主題とし、両組織による拷問を批判的に描いたことで63年まで公開されなかったいわくつきの作品。アンア・カリーナが初めて出演したゴダール映画でもある。二人は本作完成後に結婚した。
監督・脚本:ジャン・リュック・ゴダール
出演:ミシェル・シュボール、アンナ・カリーナ、ラズロ・サボ
『カラビニエ』(1963)
題名は「憲兵たち」の意。イタリア人作家ヨッポロの同名舞台劇に基づく寓話的反戦風刺劇。前年に同劇を演出したロッセリーニが、脚本家の一人として名を連ねている。架空の国の貧しく学のない若者二人が、世界の富をわがものにできるとの甘言に釣られて「王様」からの徴兵に応じ出征、破壊と略奪の限りを尽くすが……ジャン・ヴィゴに捧げられている。
監督:ジャン・リュック・ゴダール 脚本:ゴダール、ジャン・グリュオー、ロベルト・ロッセリーニ
出演:マリノ・マゼ、アルベール・ジュロス、ジュヌヴィエーヴ・ガレア、カトリーヌ・リベイロ
『カルメンという名の女』(1983)
テロリストと思しき集団と共に銀行を襲撃する美貌の娘カルメンと、彼女と恋に落ちた警備員ジョゼフがたどる数奇な運命。そこにカルメンのおじで精神病院に入院中の元映画監督ジャン(ゴダール自身が演じている)およびベートヴェンの弦楽四重奏曲を練習する演奏家集団が交差しつつ、悲喜劇的なラストですべてが合流する、ゴダール流“カルメン映画”。
監督:ジャン・リュック・ゴダール 脚本:アンヌ゠マリー・ミエヴィル
出演:マルーシュカ・デートメルス、ジャック・ボナフェ、ミリアム・ルーセル
『ゴダールの探偵』(1985)
探偵と刑事、ボクシング関係者、飛行士夫妻、老いたマフィアらが滞在中のホテルで交差する姿を、スター俳優を起用して描いた犯罪群像悲喜劇。『マリア』の完成資金を稼ぐためにゴダールが引き受けた企画で、カサヴェテス、イーストウッド、ウルマーに捧げられているのもそれぞれ商業的要請の中で見事な犯罪劇を撮った彼らへのオマージュと受け取れる。
監督:ジャン・リュック・ゴダール 脚本:アラン・サルド、フィリップ・セトボン、ゴダール、アンヌ゠マリー・ミエヴィル
出演:ジャン゠ピエール・レオ、ジョニー・アリディ、ナタリー・バイ
『ゴダールの決別』(1993)
ある男がスイスの小村で数年前に起こった出来事を調査する。一連の回想を通じて明らかになるのは、夫が出張中、妻のもとに夫の姿を借りた神が訪れた、という摩訶不思議な話だった。ギリシャ神話中のゼウス神が夫に化けて人妻と時を過ごす伝説に想を得た、人間の欲望、苦悩、歓びを巡る真実を経験したいとの神の願望を巡る物語。シャンプティエの撮影と相まって、最も美しいゴダール映画の一本と評される。
監督・脚本:ジャン・リュック・ゴダール
出演:ミリアム・ルーセル、ティエリ・ロード、ジュリエット・ビノシュ
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