【イベント報告】台所おさん 落語会
4月21日金曜。この日は夜から柳家花緑門下である台所おさん師匠の落語会が開催されました。
昨年11月の立川志らく師匠に続いての、およそ半年ぶりの落語会です。
元々は芝居小屋として建てられた高田世界館の広いステージに、ちょこんと座布団を1枚敷いただけの舞台。お客と、演者である落語家がいるだけのシンプルかつ広々とした空間です。もちろん、舞台美術もありません。
言葉だけでその空間を満たしていく落語。その素晴らしさを一度味わってしまったら、決して忘れることはできないでしょう。TVや落語CDと違った「生の」醍醐味というのはそこにあります。
さて、今回の落語会は「台所おさん」というユニークなその芸名をネタにした小噺から始まり、落語にあまり馴染みのない方でもわかるようにゆっくりと、親しげに場を温めていってました。
最前列にはおそらく生の落語を見るのは初めてであろう、子どものお客様の姿もありました。大きな身ぶりを交えたコミカルな演出に、細部はわからずとも可笑しみが伝わったのではないでしょうか。
前段には2つの小噺が披露されました。1つ目の「狸の鯉」には話にグイグイ引き込まれ(情景がありありと浮かびます!)、あわや鯉に化けた狸に包丁が突き立てられようかという瞬間には、客席から思わず声が漏れたほどでした。
「狸の鯉」に続く「大工調べ」は江戸っ子の威勢のいい啖呵切りが聞きどころ。およそ3分ほどの間、つっかえもせずに勢いよくバーーーーーッと相手をまくしたてていくんです!息を呑むほどの迫力がありましたね。
あまりに清々しかったのでオチも忘れてしまいましたが(笑)
仲入り休憩を挟んでの最後の演目は「愛宕山」。小高い山への登山を題材にしたこの噺は、登場人物が山から谷へと空間を大胆に行き来するなど、大きい身ぶりを用いての場面の描写が目を引きます。このあたり、演劇出身という師匠の面目躍如といったところなのでしょうか。その身ぶり手振りもハッスルしすぎて着物が乱れてしまうほどでした(笑)
終了後のお客様の反応もすこぶる良く、「芸術として素晴らしい」「今まで見てこなかったのが惜しい」と絶賛する方も。先述したお子さんの中には落語をやっているという子もいたようで(!)、終了後には師匠とともに嬉しそうに写真を撮っていました。
高田世界館は普段は映画館として営業していますが、こういった演芸、舞台芸術もまた違った魅力がありますよね。当館はキャパシティーとしては市民会館などの大ホールより小さいぶん、より演者さんと近い距離で臨場感のある舞台を楽しむことができます。
ぜひ次回のイベントもお楽しみに!
(上野)
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